なみえの今
十日市が開催されました!
2018年12月1日
こんにちは、地域づくり支援員の石橋です。
浪江町恒例、秋の収穫祭「十日市祭」が11月24,25日に開催されました。
両日とも天候に恵まれ開催場所のスポーツセンター付近は、24日の早朝から準備に勤しむ方々やお祭りが待ちきれない人々で賑わいを見せていました。
会場へ行ってみると、たくさんのお客様。
屋外ブースの目玉は何といっても「大せとまつり」でしょう。浪江町の伝統工芸品「大堀相馬焼」の窯元7軒が出店しました。かつて大堀地区で軒を連ねていた窯元さんたちですが、今はそれぞれの避難先で浪江の伝統を守り続けています。そんな窯元さん達のうちの7軒が、震災後初めて浪江の地で十日市に合わせてテントを並べるとあって、楽しみにしていた方も多かったようです。
「うう~ん、渋い」
「その渋さがいいのよ」
「こっちは可愛い!」
などと店先を占める人々の楽しそうな声が聞こえたり、商品をお買い上げくださったお客様の顔を見た窯元さんが思わず
「あれ、〇〇さんじゃねえぇの!?」
「おう、久しぶりだな!元気そうで、いがった(よかった)!」
と再会を喜ぶ笑顔があちこちで見られました。
屋内外のステージでは町の伝統芸能にお笑いライブ、地元サークルのダンス披露など趣向を凝らした舞台が展開される中、とても心温まる一団がありました。「小中学校の校歌を歌う会」です。
同窓生である限り10代であろうと70代であろうと共通の校歌を持っているのですよね。特に小学校で6年間も歌い続ける校歌は、いつの間にか体の奥に沁みついていて絶対に忘れられないものなのだと痛感しました。最後に歌ったのはもう数十年も前のことはずなのに、「仰げば西の~♪」と聞いた途端に、「山青く~♪」と口ずさんでいた方も見受けられました。校歌も「つながり」の一つなのですね。
もちろん十日市に参加しているのは団体やサークルだけではありません。
こちらのお二人は町に帰還されて以降、浪江に美しい景色を作ろうとご尽力されてきたご夫婦です。
ご自宅の周りだけでなく、今は使われていない思い出の学び舎の校庭に花を植える活動を通して、地域とのつながりを築いています。
そんなお二人は避難中に木工と出会い故郷浪江を想いながら作品作りに没頭したそうで、
「福が来る浪江」との想いを込めて「にじ・福浪(にじふくろう)」と名付けた鮮やかなキャラクターを生み出しました。
十日市ブースの一角を借りて出店したところ好評を博したようです。
以前とは姿を変えた十日市祭。その変化に「新生」浪江町を垣間見たような気がしました。