なみえの今
ふるさとの民俗芸能写真展より③<浪江編>
2021年7月30日
こんにちは、地域づくり支援専門員の岸本です。
6月に道の駅なみえのギャラリーで展示した「ふるさとの民俗芸能写真展」では、浪江町の民俗芸能の一部を取り上げました。3回目にご紹介するのは、浪江編です。
写真展で展示した浪江地区の民俗芸能、「川添の神楽」と「樋渡・牛渡の田植踊」について紹介します。
川添の神楽は、明治40年頃、修行を積んだ地元の神楽の名人が町民に披露したのが始まりとされています。正月には、川添にある國玉神社に奉納した後、地区内を20戸ほどまわり、悪魔祓いや豊年万作を祈願してきました。
川添芸能保存会は、原発事故により一時は中断を余儀なくされたものの、2014年にいち早く活動を再開。2015年の正月には、県内にある仮設などをまわり舞を披露し、町民の皆さんに正月の風景を届けました。上記2枚の写真は、川添芸能保存会にご提供いただいたものです。
上記の写真は、菊池和子さんの写真展「福島 芸能の灯消さず」のオープニングイベントで披露された際の写真です。
幕舞、幣束舞、鈴舞、乱獅子の4演目からなる川添の神楽。最大の特徴は、演目ラストを飾る乱獅子ではないでしょうか。幕の中に多いときは10人ほどを迎え入れて、囃子に合わせ勇ましく舞う姿は圧巻です。
続いてご紹介するのは、樋渡・牛渡の田植踊です。
震災前まで、八坂神社の祭礼(7月15日)の前夜に、五穀豊穣や家内安全を祈願し踊られてきました。終戦までは、すべて青年団の男性が継承してきましたが、やがて婦人会などの女性が踊るようになったそうです。
写真は、樋渡・牛渡行政区にある八坂神社の落成式で奉納している様子です。
樋渡・牛渡の田植踊は、早乙女(女)と歳蔵(男)はそれぞれ横1列に並び、民謡「流れ山」につれて舞い込みます。
早乙女は赤の着物に花笠をかぶり、一方、歳蔵は股引きに青の着物、頭に鉢巻を巻きます。衣装のコントラストがまた素敵ですね。
樋渡・牛渡田植踊保存会は、震災と原発事故により中断を余儀なくされましたが、八坂神社の落成式で奉納することが契機となり、2019年に活動を再開。定期的な練習会だけでなく、担い手発掘のために体験会を開催するなど精力的に活動されています。
今年度、新メンバーも増えました。現在は、小学生から80代までの幅広い年代の方が所属しており、今後の活躍に期待です。
次回のブログでも、引き続き「ふるさとの民俗芸能写真展」についてお伝えしていきます。