なみえの今
今年の田植え<加倉編>
2021年5月24日
こんにちは、地域づくり支援員今野です。
苅野地区の加倉行政区では、震災以来10年ぶりとなる田植えがこの春始まっています。
東日本大震災で被害を受けた農業用水路の復旧がようやく終わり、加倉地区への通水がこの春完了。水路に水が通るようになりました。町内の復旧状況は様々なのだと、あらためて感じます。
種蒔きや代掻き作業等の準備を進め、初回となる5月18日の田植えには生産組合の会員7名ほどが集まり、協力し合って作業を進めました。
リース事業により最新の田植え機を導入したこともあり、業者の方から操縦の仕方を教わりながら田植えを進めていました。
震災以来の田植え、会員の皆さんに感想を聞いてみると「苗に触るのも10年ぶりだからなあ」「こうやって始まっちゃうと百姓が楽しくなっちゃうなあ」などの声を頂きました。
「そういえばカエルの姿を見ていないな」といった話も出ましたが、田んぼに水が張られ田植えが始まったことで、カエルの鳴き声も聴こえてくるようになるのではないでしょうか。
表土を5センチ剥いで客土をしたほ場(水田)であり「収量への影響とか、どんなコメができるかわからないなあ」という声もありました。
この日は平日でしたが、土日だと働いている人なども駆けつけ10名ぐらいでの作業になるとのこと。ほとんどの方が町内ではなく避難先からですが、若い担い手となりそうな方やボランティアで手伝いに来た方などもいて、来年や再来年はどうなっていくのか、少し期待したいなと思いました。
今回見学した各地の田植えは男性の方が多く集まっていましたが、加倉では女性の方が裏方ではなく、田植え機に乗るなどして担い手の中心を引き継いでいる姿が印象的でした。
浪江町内の避難指示解除区域ではここまで紹介した以外の地域でも、田植えが進められています。
町によると今年度の作付け面積は170ヘクタール程度の見込みです。震災前の作付面積約1250ヘクタールにはまだまだ及ばないものの、少しずつコメづくりと農作物が結ぶ人の輪が広がっていると感じました。