なみえの今
令和元年 標葉郷 相馬野馬追
2019年8月6日
地域づくり支援専門員の丹野、引地、佐藤です。
長い梅雨が終わり急に夏がやってきた7月末の週末、令和元年 標葉郷野馬追祭が開催されました。熱い標葉郷の2日間を追いかけました。ぜひご覧ください。
☆初日 【出陣式】 ~浪江中央公園にて~
丹野です。
朝8時、浪江町中央公園には出陣を待つ騎馬武者の皆さんが集結。今年はじつに50騎の騎馬が出陣するとのこと。出陣式ではこの野馬追祭開催に尽力した皆さんの挨拶がありました。
「伝統芸能がひとつひとつ再開することが、復興の弾みになる。」
「野馬追は誇りであり、柱。野馬追が後押しとなり、必ず復興は達成される。」
この野馬追祭がどれほど浪江町で大切にされてきたのかを感じることができる、力強い言葉でした。
式典の挨拶が終わり、法螺貝が鳴り響くといよいよ出陣です。
1頭1頭が順番に公園を出て歩きだしていきます。
出陣する騎馬武者1人1人の甲冑や旗指物にはどんな意味があるのだろう?そう思いを巡らせてるうちに、騎馬は町内を練り歩き、あっという間に行列は終わりを迎えました。
立派に出陣していく騎馬武者たちを温かい目で見送る町の皆さんはとても嬉しそうで、大切な伝統行事が浪江町の復興の礎になることを思わせてくれました。
沿道で見ていた町民の方に感想を聞くと、仕事の関係で昨年秋より浪江に移住し、初めて野馬追を見たとのこと。
「精悍だった!観客の皆さん、お子さん連れも多くて感動。沿道で水分を振る舞っていて、みんなで盛り上げようという祭りだなと感じた。」
次は南相馬市原町区での標葉郷の様子です。引地がお届けします。
☆初日夕方 【軍者会】 ~原町区旭公園にて~
決戦前の御前会議。総大将をはじめ各郷の幹部が、初日報告と翌日の打合せをします。
初日を終えた 標葉郷副執行委員長 佐藤良樹さん。
「初めてで緊張したが、明日も頑張るよ!」と馬上とは違う安堵の表情。
☆2日目 【本祭り】 ~原町区 雲雀ヶ原祭場地にて~
いよいよ各郷揃ってのお行列です。中ノ郷を先頭に小高郷、標葉郷、北郷、宇多郷の順で祭場地を目指します。
私は前方に陣取ることが出来なかったのですが、標葉郷が前を通るときだけ、観客の方がなんと一番前を譲ってくれました。
☆正午 【甲冑競馬】
旗指物がなびく音、舞い上がる土、ものすごいスピードで駆けていきます。シャッターチャンスを狙っても、この通りです。
標葉郷の中頭で浪江町から出陣している吉田学人さん(“十二神”の旗指物)3着です!
今年で12回目の出陣という吉田さんに、一言感想をお聞きすることが出来ました。
「スタートで出遅れて後方からだったが、巻き返すことが出来てよかった!」
☆午後1時 【神旗争奪戦】
ご神旗を手にした、標葉郷 副軍師付組頭 吉田昌平さん。
総大将のもとへと、本陣山の羊腸の坂を一気に駆け上ります!
☆2日目夕方 【標葉郷凱旋】 ~浪江中央公園にて~
佐藤です。
標葉郷相馬野馬追祭で今年、観客初陣を果たしました。
16時を過ぎようとしているにも関わらず、気温は30度近い状況。町民の熱意も相まって、本陣は熱気ムンムン。凱旋行列を一目見ようと、今か今かと、馬の様に首を長くして待つ方々で溢れかえっておりました。
凱旋行列を待つ間、浪江町相馬流れ山踊り保存会による、舞踏「相馬流れ山」が披露されました。威厳と品格のある流麗な舞に、時間を忘れて見入っている方々多数。
私もそのひとりでした。
17時頃より凱旋行列、続いて、凱旋式典が執り行われました。
出陣した全騎が無事凱旋を果たしました。何とも勇ましい姿でした。
さらには本日のクライマックス、標葉郷神旗争奪戦。
神旗争奪をかけた人馬一体となった姿に、大勢の方々が浪江の将来を期待したのではと思います。
浪江の方々は、この神事を通して、伝統を守り続ける執念と、祭りに掛ける熱い意気込みを露にしています。必ずや復興の糧になるのだろうと思いました。
再び、引地です。
祭りの最後に、今年初陣を果たした標葉郷騎馬隊 紺野琉美子さんのお父さんに感想をいただきました。娘さんの晴れ姿を見るため、赴任先のタイから駆け付けたそうです。
「電話で話すといつも通りの小学生の娘だけど、昨日今日の大舞台で堂々としている姿をみて、大人になったなーと実感した。本当にうれしく思います。」
お父さん、日焼けした満面の笑顔でした!
さあ、野馬追が終わり、浪江の夏本番です。