なみえの今
冬の伝統行事 裸参りについて➀
2021年12月10日
こんにちは、地域づくり支援専門員の岸本です。
12月に入り、日を追うごとに寒さが増してきました。今回は、浪江町の冬の伝統行事である「裸参り」についてご紹介します。
1年間の無火災を祈る「裸参り」は、町の無形民俗文化財に指定されており、毎年旧暦の1月8日に行われ、初春の恒例行事となっています。
安政6年(1859年)に町内の繁華街が大火に見舞われたため、火災が広がらないように街並みを変えたことなどが由来と伝えられています。
裸参りは、白装束姿の若衆が、目抜き通りを掛け抜けるときに、沿道に集まった大勢の町民がバケツに用意した冷水をひしゃくで若衆に浴びせ、1年の無火災を願うもので、伝統の風物詩となっています。現在は、浪江町消防団第一分団第一部により継承されています。(浪江町ホームページ より引用)※2021年12月現在、休止中です。
裸参りに参加したことがあるという浪江町内在住の60代の方にお話を伺うと、「30代の頃に2回ほど参加したことがあり、当時は浪江消防団第三部に所属していた」とのことでした。
裸参りに参加した時の様子については、このようにおっしゃっていました。
「ひとしきり水をかけられているときはまだ良いが、雷神社が近づいてくると途端に水をかけてもらえなくなり、冷え切った身体に風があたって辛かった」
「それでも、不思議と嫌だったという気持ちはない。辛さを乗り越えて頑張ったからこその、達成感があった。終わった後に入るお風呂は最高だったな~。お風呂の湯がすぐぬるくなってしまうので、何度か沸かしてもらって入った。良い思い出になっているよ」
と、当時の様子を振り返り、笑顔で話されていました。
また、裸参りのチラシやテレフォンカードを大事にとっている町民の方もいらっしゃいました。
東日本大震災から間もなく丸11年を迎えようとしています。震災後も、火防祈祷だけは続けられており、毎年旧暦の1月8日には浪江町消防団員が浪江神社に参集して祈りを捧げています。
引き続き、裸参りについてブログで発信していきます。
ブログを通して、かつてにぎわいを見せたあの日を少しでも思い出していただければ幸いです。