なみえの今

大平山霊園で4年ぶり、お墓参り休憩所

2023年8月22日

こんにちは、地域づくり支援専門員の今野です。

お盆期間中の8月12日(土)、13日(日)の2日間、請戸地区にある大平山霊園でお墓参りに来た皆さんが一息つけるお墓参り休憩所を実施しました。
2018年、2019年にも実施していましたが、その後は新型コロナの状況から毎年見送っており、4年ぶりの実施となりました。

以前の様子は以下をクリックしてください。

ブログ 大平山霊園で憩いの場づくり(2018年8月)

ブログ 大平山霊園 お茶っこ休憩所(2019年8月)


初日は時折小雨が降る雨模様の中となりましたが、中浜行政区の川口登区長も滞在され、お墓参りしている皆さんに積極的にお声がけなどいただいたことで40名以上の方にお立ち寄りいただきました。
2日目は快晴となった中、冷たい飲み物で一休みできる場ということで、こちらも40名近い利用がありました。

災害危険区域に指定された請戸地区の皆さんは、主に町外に散り散りになり生活を送っています。さらにコロナ禍もあったことから「久しぶり!」「ここで会えて話せてよかった~」などという声が、何度も聞けました。

また、現在の住まいを決めた過程などを教えてくださる方もいて「街中に避難したんだけど、やっぱり波の音が聞こえてないと落ち着かないのな。今は海のそばの家で暮らしている」。別の方も「ざーざーとずっと波の音が鳴っていてうるさいと思うかもしれないけど、いっつもこの音が聴こえていたんだよな」など、海のそばで長年暮らした方たちならではのお話も聴けました。

震災前の懐かしい写真のファイルも並べたため、懐かしそうに、うれしそうにご覧いただく姿も見れました。
「あっ、これ私!」「うちの兄貴だ!」とか「●●年の安波祭にはうちの娘出ているんだけど、その時の写真はないのかなあ」「近所の〇〇さん。若かったなあ」など、写真を手に取って話が弾んでいました。
とても残念なことですが、そうした写真も津波で流されてしまっています。「たった1枚だけ、思い出の品の展示場に写真があったから、前にもらってきたんだけどさあ」などと話す方もいらっしゃいました。

請戸地区ではお盆期間中の決まった3日間は毎日お墓参りに来る、といった風習があったようで、ご先祖様をとても大事にする地域だったのかなと思います。
今は、町外から訪れる方が多いため、以前のようなお墓参りも難しくなったかもしれません。

「浪江町には行かなくなってきたけれど、お墓参りには必ず行く」
そんな声は、町内の他の地域でも耳にします。
お墓参りを通じて、地域の皆さんの交流・つながりの維持が今後も続いていくよう願っています。