なみえの今
整備が進む復興祈念公園
2021年1月28日
こんにちは。地域づくり支援専門員 今野です。
年明け間もなく、整備が進んでいる福島県復興祈念公園を中心に沿岸地域を眺めることのできる「見晴台」が町の両竹(もろたけ)地内に設置されました。
さっそく公園の整備状況など視察に出向きましたので、その様子をレポートします。
見晴台の最上階は標高11メートル。
最上部まで上り、さらに上を見上げた5メートルほど先には、東日本大震災の時に浪江町と双葉町を襲った最大の津波高さである16.5メートルの標示柱が設置されています。
標高16.5mのこの高さまで盛土をして「追悼と鎮魂の丘」が整備される計画となっています。
真上を見上げながら「これほどの高さだったんだな」と、あらためて津波の恐ろしさを感じるとともに、これから整備される丘がここまでの高さになるというのにも驚きを感じます。
見晴台の南側すぐの土地が丘になるのですが、およそ10ヘクタールを計画しており、重機や人力などであちこちで作業に取り組む様子が印象的でした。
詳しい資料として「福島県復興祈念公園の施設配置計画」が国土交通省東北地方整備局と福島県より公表されています。
福島県復興祈念公園の施設配置計画 ←こちらをクリックしてください
公園全体のイメージについては「公園全体鳥瞰図」で把握できるかと思います。
(「本公園は、時代の変化・要請に合わせ進化していくため、完成予想図ではありません」とのことです)
現在の計画では、浪江町側ですと献花広場などのある「追悼と鎮魂の丘」、水辺やいきものとふれあえる「水辺の広場」、伝統行事の継承活動の場などの施設が配置されるようになっています。
町の人に復興祈念公園について尋ねる機会があり、期待などを聞いてみましたが、まだまだ完成時のイメージが沸かないこともあるのでしょうね、「わからないなあ」と答える方が多い感じでした。
しかし中には「丘ができたら散歩してみたいなあ。避難中の息子らが暮らしていた家もあった場所だし」といった声もありました。
復興祈念公園の完成時期は未定ですが、町の皆さんが気軽に利用し、集えるような、そんな公園になってくれればと期待しています。
見晴台が利用できるのは平日午前9時から午後4時までとなっています。機会があればぜひ、沿岸部の復旧・復興状況を眺めてみてください。
この見晴台からは請戸小学校も見えます。
請戸小の児童は全員、避難によって津波の被害を逃れました。
津波被害と原発事故による災害の教訓を伝えたいといった町民の声も多く、請戸小学校も震災遺構として整備が進んでいます。
立ち入りは禁止ですが、外から眺めてみると工事を進めている作業員の方の姿や、ハンマーの音、電動機器の音などが聴こえてきました。
請戸小学校は来年度中には一般公開ということで、東日本大震災・原子力災害伝承館やこれから整備が進んでいく復興祈念公園などと合わせ、震災の発信の場、そして町の皆さんが再会し、近況や思い出などを語れる場になればいいなと思っています。
ブログ内では「浪江町沿岸部のいま」と題して昨年9月頃の沿岸部の様子も発信しています。こちらもぜひお読みください。(各タイトルをクリックしてください)
『浪江町沿岸部のいま①』
『浪江町沿岸部のいま②』