なみえの今

2022年 請戸漁港 出初式

2022年1月6日

皆さん、こんにちは。地域づくり支援専門員の引地です。

年末年始の寒波で県内は大雪の地域も多かったことと思います。浪江町もかなり冷え込みました。皆さまどんなお正月を過ごしましたか。

浪江町の1月2日の朝と言えば、請戸漁港の出初式ですね。1年間の海上安全と豊漁を祈願し行われます。

穏やかな請戸の朝です。漁船や施設が海面に写っています。

昨年はコロナの影響で行われなかったため、2年振りの開催。多くの町民の皆さんが集まり「今年もよろしくお願いします」「今日はいくらか暖かいな」という会話が聞こえてきます。


神事が執り行われたのち、船出の合図の号砲が鳴りいよいよ出港です。

各漁船が大漁旗をはためかせ、出港する姿は圧巻です。



請戸の苕野神社はその昔、請戸の沖合の小島に鎮座していたといわれています。小島は波の浸食で無くなってしまいましたが、その名残で出初式では小島があった場所を周り、お神酒をささげています。

2019年1月2日撮影


出港直前には、船から縁起物としてミカンを投げる風習があり、そのミカンを食べると風邪をひかないともいわれており、私も必死にキャッチしました。

請戸出身の方から、「震災前は100隻以上の漁船が出港したんだ。ミカンもどんどん飛んできたから、漁港のコンクリートがオレンジ色になっていたよ」と教えてもらいました。



請戸漁港の復旧は、2019年に荷捌き施設が完成し、2020年には競りが再開。昨年2021年には防波堤・岸壁などを含む、漁港の復旧工事が完了しました。

町民に愛される“請戸もの”の魚を食べることができるようになり、震災前と同じ量とはいきませんが、多くの町民の「請戸の魚を食べたい!」という願いが叶いました。

私ども町内コミュニティ再生支援事業が始動した2018年から、多くの町民から聞いていた「魚は請戸ものが一番」という声。そして、この出初式に家族で集まり、出港する船に大きく手を振る町民の皆さんの姿。この様子に触れ、やはり請戸は町の大きな誇りのひとつなんだなと改めて感じたお正月でした。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。