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こんにちは、地域づくり支援専門員 今野です。
浪江町内でもお米の収穫の時期が終わり、稲が刈り取られた田んぼの景色となりました。
今年は大きな台風などもなく、無事にこの時期を迎えたという農家の方も多かったのではないでしょうか。
苅宿行政区でも避難指示解除後の平成30年に設立した任意団体『苅宿ふれあいファーム』が、4回目(※平成31年からなので)のコメづくりを終えました。
会員数は15名と決して多くはない中、今年は20町歩まで作付面積を拡大してきました。
苅宿ふれあいファームの松本伸一代表からは以前より「活動に余裕が出てきたら、収穫祭をやりたい」とうかがっていましたが、新型コロナウイルスの影響があり、この2年は計画が止まっていました。
コロナの状況や対応もだんだんと変化してきたこともあり「規模を縮小してこじんまりと、10月末に実施する」と開催が決まり、今回初めての収穫祭となりました。
本来は避難中の方も含めた行政区全員に声をかけ、行政区と連携した催しとして開きたかったということでしたが、今回は会員の方と普及所など農業関係の機関の方々を来賓に招いて開催しました。
行政区長あいさつで佐藤孝男区長は「行政区の総会もコロナで3年間開くことができずにいる。規模を縮小した収穫祭となったが、やって良かったと思う」と心境を述べました。
会食では地域で採れた食材をふんだんに使ったメニューが並びました。コシヒカリを使用した塩むすびや、会員の方がつくった里芋が入った豚汁、地域ブランドの玉ねぎ『浜の輝』が入ったカレーライスなど、出来立ての料理を各テーブルで参加された皆さんが舌鼓を打ちながら召し上がっていました。
「新米はやっぱり美味いね」などの声があちこちで聞かれました。
苅宿ふれあいファームの会員も、町外の避難先で暮らしている方がまだまだ多い状況です。
苅宿行政区の吉田数博顧問は「収穫祭を非常にうれしく思う。遠方の避難先から通いながらの農作業や、風評被害など大変な苦労もあったかと思う」などと活動をねぎらい「子どもや孫たちにしっかりふるさとを残しバトンタッチしていく責任がある。熱い想いで皆で知恵を出し合って、この活動がずっと続くよう願いたい」など地域への想いを述べました。
コロナが落ち着き、来年の収穫祭は行政区の皆さんが参加する地域一体の催しとして、にぎやかに開かれますよう心から願います。
地域づくり支援専門員の吉田です。
遅くなってしまいましたが、今回は8月に行われた盆踊りについてお伝えします。
8月20日、保護者有志や町内企業・団体で結成されたお祭り実行委員会主催による
『なみえのぼんおどり祭り』が、なみえ創成小中学校にて開催されました。
当日は悪天候の為、急きょ屋内の体育館で実施でしたが、
会場内には沢山の縁日やワークショップなどが準備されました。
そしていよいよ踊り流しです。
この日の為に『川添芸能保存会』の方達が、子どもなど一般の方にも呼び掛けお囃子の練習をしていました。
最初は小さかった踊り流しの輪が、最後にはとても大きな輪になっていきます。
今回初めておこなわれた『なみえのぼんおどり祭り』でしたが、来年も開催できるように検討されているとのことです。
私自身、浪江町内に引っ越して来て半年の時期に、町内に住む子ども連れの方達でこんなにも賑わう場を見ることができ、とても素敵だなと思いました。
また来年、皆さんとお会いできればと思います。
こんにちは、地域づくり支援専門員 今野です。
福島県と実行委員会が主催し、震災後に開催している「ふるさとの祭り」が今年は道の駅なみえの交流ひろばを会場に、10月8日と9日の2日間に渡って開かれました。新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの有観客開催となりました。今年は全14団体の出演があり、浪江町からは5団体が神楽や田植踊りを披露しました。
浪江町川添芸能保存会は初日に出演し、川添の神楽を披露しました。
ステージで石澤孝行保存会長は「3年ぶりに開催する会場が”私たちの”浪江町で、トップを飾らせてもらう。ここで皆さんと会えるのがうれしい。祭りを通しての再会は、醍醐味です」など高揚した様子で話しました。
特徴的なのは「乱獅子(らんじし)」で、お客さんにも参加を呼びかけ、幕の中に6~7人が入りお囃子に合わせ荒々しく舞います。川添の神楽は雌獅子で女性が入ると災いが起きるとされており、残念ですが参加できるのは男性の方のみとなります。
石澤さんは「国玉神社が11年かかって再建し、獅子が戻る場所ができた。継続は大変だが、動けるうちは続けていきたい」などと今後に向けた想いを話しました。
二日目は浪江町からは4団体が出演し、様々な舞いを披露しました。
帰還困難区域のため元の場所で練習などできない苦労の中、室原の神楽は精力的に活動を続けてきました。
福島県の民俗芸能研究の第一人者として知られるNPO法人民俗芸能を継承するふくしまの会の懸田弘訓理事長は「非常に熱心に活動されている」と評し、室原の神楽の特徴として「最後は荒々しく舞うが、怒っているのではなく神様が寄り付くことで荒々しい動きになる」などと説明しました。
獅子舞の蚊帳についても「風車が描いてあるが、悪霊退散の意味合いと、人生が上手く回ってほしい想いが込められている」と解説しました。
室原郷土芸能保存会の宮口勝美保存会長は「コロナで3年間発表の場がなかった。集まることもできず、ようやく練習し皆さんの前で披露ができてうれしい。福島県外から参加している人もいる」などと話しました。また、室原でも特定復興再生拠点は来春の解除が見込まれており、神社の再建も進められていることから「神社で遷宮祭などもできるように努力していきたい」などと話しました。
樋渡・牛渡の田植踊について懸田さんは「衣装について話すと、かけているタスキは単なる飾りではない。神様が乗り移るために必要なものとなっている」「着物の赤色は、悪霊を払うという信仰から。古くから脈々と受け継がれている」などと解説しました。また、「時代的にはこの後に披露される請戸の田植踊へと広がっていく、その一歩手前の田植踊り」と、それぞれの踊りの違いについて触れました。
樋渡・牛渡田植踊保存会の鈴木美智子会長は「避難先が遠い人もいるので、一番の苦労は集まるのが難しいこと。でも若い人が入ってくれたので、心強い」など苦労と今後に向けた期待を話しました。
続いて出演した請戸芸能保存会による請戸の田植踊について、懸田さんは「津波で家族や親族を失い、着物なども流された中、いち早く震災の年の8月に復活している。大変な努力だったと思う」など当時の状況を詳しく話しました。
今回参加している一番小さい子は小学1年生ということで、可愛らしい踊りに観覧された皆さんも笑顔が絶えませんでした。
請戸芸能保存会の佐々木繁子会長は「地元の会場で皆さんの前で披露できるのはうれしく、みんなの顔を見ると私たちも元気になる」などと話しました。
およそ200年前より伝わる南津島の田植踊りについて懸田さんは「衣装も踊りもこれまでの田植踊りとまったく違う。非常に多彩な田植踊りの姿を知ってほしい」などと話しました。樋渡・牛渡の田植踊や請戸の田植踊は「動」の美しさのある田植踊りですが、南津島の田植踊りは「静」の美しさがある踊りで、浜通りの田植踊りの古い姿なのだそうです。
今回は以前当ブログでお伝えした東北学院大学の大学生が4名、応援で加わりました。参加した学生は「今回初めてとなる機会。緊張もあったが練習の成果が出せたと思う」などと感想を述べました。また「ご縁を頂いて踊りの起源などを知れて面白かった」など、ここまで関わって感じたことなどを話しました。
観客席では来場した町民の方どうしの「久しぶり」などの声、そしてステージ裏では参加された会員の方々の再会の声と、団体どうしが交流する姿なども見え、地域をつなぐ民俗芸能の力を感じることができた2日間でした。
こんにちは、地域づくり支援専門員の引地です。
以前このブログでもお伝えしましたが、今年の4月、請戸住宅団地に『海の観える丘自治会』が発足しました。
発足当初から「まずは交流会をしたいね」と声があり、最初のイベントとしてぜひ実現しよう!と、7月より役員の皆さんで計画を練っていました。
・バスで日帰り旅行はどう?
・コロナが落ち着いてきたらバーベキューがいいかも。
・バーベキューなら、集会所?いこいの村もいいのでは?
・広報に載っていた、町の補助金を申請してみよう。
など検討し、大枠が決定。
〇いこいの村でバーベキュー。
〇町民の交流会などを後押しする、町の復興コミュニティ補助金を活用する。
当事業では、補助金申請書類の作成サポートや全体の段取りについてお手伝いしました。
10/2 秋晴れの日曜日。
いこいの村に請戸住宅団地の皆さん約30名が集まりました。
2年前の団地完成から居住している方や今年4月の総会に都合で参加できなかったご家族など、幅広い年齢層で、初めて顔を合わせる方もいらっしゃいました。
集合は10時でしたが、9時過ぎには到着した役員の方。さっそく火おこし開始です。
室内では急いで野菜切りを進めます。
今回いただく野菜のほとんどは、町内の生産者のものを選び購入しました。
いよいよ肉焼きスタートです。
3台でどんどん肉を焼き、牛肉・豚肉を皆でモリモリいただきます。
「初めてお会いしましたね、何号棟ですか?」
「会長、来年もこのイベントやってねー」
など、肉を囲みながら声が飛び交います。
子どもたちは、自転車やかけっこなど元気に駆け回っていました。
いかがですか。楽しい雰囲気が伝わったでしょうか。
13時、〆の焼そばをいただき約3時間の交流会が無事終了しました。
翌日、自治会長から連絡をいただきました。
「みんな、疲れとか体調どうかなと思って、散歩がてら声かけしたんだ。みんな元気だったよ!」
楽しみながら顔を覚え、つながりをゆるやかに保っていくこと。
地域コミュニティの土台を実感した交流会でした。
こんにちは、地域づくり支援専門員 今野です。
浪江町の帰還困難区域のうち、特定復興再生拠点では来春の避難指示解除に向けて9月1日から準備宿泊が始まりました。
当事業でも復興拠点内で何か取り組めないかと検討する中、津島地区で秋のお墓参り時期に合わせた『秋彼岸休憩所』の実施を試みました。
町民の方を訪ねお話をうかがう中で「避難中の人でも、お盆やお彼岸などでお墓参りに町に来る人は多い」などという声は、よく耳にしていました。
津島地区でも「自宅の管理に通う回数もだんだんと少なくなってきたけれど、お墓参りは行っている」といった声をずっと耳にしていました。休憩所を実施することで「久しぶり~」などの声が響く、再会の場づくりができればと考えました。
つしま活性化センターが再開し、役場機能も備えたことで本来はセンター内の会議室などを活用し開催したかったのですが、今年3月の地震の影響で修繕工事中につき、今回は別の場所を検討することとなりました。
(4月1日のつしま活性化センターの状況→「津島支所再開と地震の影響」)
町からも情報をいただき、活性化センターの向かいにある消防屯所の利用を検討しました。利用にあたっては役場から消防団担当者の方につないでいただきました。
消防屯所としても引き続き利用されていることから、利用にあたってはまったく問題なく、和室の畳も座布団も新しくきれいな状態でした。唯一、水が出ない問題がありましたが給水タンクに水を汲んで運んでくることで対応するようにしました。こちらを一時的に、彼岸前半の2日間程度お借りすることとしました。
立ち寄られた際に話題がふくらめば良いなと、以前写真展をした際のパネルも搬入し、室内に飾ってみました。
いざ当日、となりましたが実は2日間とも台風の影響がありました。実際の被害はほとんどなかったものの彼岸の前半での台風や大雨の予報だったため、お墓参りを後半の時期に変更したという方も多かったのではないでしょうか。
また2日目の20日は台風への安全対策として一時立入の中止が決まり、申請していた住民の方へは中止の連絡が行っていたそうです。
初めてとなる試みで、開催場所がお墓の近くではないことやこうした台風の影響も大きく、残念ながら利用された方はほぼいませんでした。
しかし、今回このような場をつくってみたことで「津島地区でも何かやれる場を持てる」と感じることができました。
今後どのような取り組みができるか、地域の皆さんの声も大事にしながら検討していきたいと思っています。