なみえの今

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町内の住宅団地 春の動き その①

2022年4月18日

こんにちは、地域づくり支援専門員の引地です。

浪江の桜も散り、いよいよ新緑の季節が始まります。

地域での集まり事が多い春ですが、今回は町内2つの住宅団地での自治会の動きを2回に分けて紹介します。

まずは請戸住宅団地です。

2020年10月に災害公営住宅として完成入居開始後、1年半。

この春、新しく自治会が発足しました。

当事業では自治組織の設立支援として、住民同士が気軽に顔を合わせる機会や意見交換会の場づくりを続けてきました。

▲2020年10月 防災の集い AEDと心肺蘇生体験
▲2021年7月 自治会設立を考える意見交換会


何度か集まりを設けることにより自治会設立への機運も高まり、2021年夏には設立準備会が発足。

その後準備会のメンバーによって、規約や活動計画などを創り上げてきました。

コロナの影響で足踏みの時期もありましたが、書面ではなく顔を合わせての設立総会を開催したいとの希望があり、感染状況が落ち着くタイミングを待っていました。

そして4月3日、無事に対面での設立総会を開催することができたのです。(本来はお弁当でも食べながら歓談の時間を多くとりたいところでしたが、今回は断念しました)


会長に就任された舛倉さんは、「顔の見える関係を築きたい。日常の生活ではもちろん、非常時には近隣の工業団地の方とも連携できるようにしたい。」とお話されていました。


この請戸住宅団地、集会所のテラスから海が観えるのです。

以前より住民から「集会所で歌を歌いたい」「バーベキューもしたいね」という声があがっていました。

そして、決定した自治会の名称は

『海の観える丘自治会』

このテラスで、歌声が響く日が近いのではないでしょうか。

発足、おめでとうございます!

▲2022年4月3日

令和4年4月、請戸

2022年4月8日

こんにちは、支援員の今野です。

昨年8月以来となります、請戸地区の全体的なレポートです。

最近、請戸地区を回っていて変化の大きさを感じるのは復興祈念公園の整備のための土盛り工事です。あちこちに、土や砂利などが盛られているのがわかります。

▲見晴台より双葉町方面
▲見晴台より請戸小学校方面
▲復興祈念公園の整備イメージ(施設配置計画より)


請戸漁港も新しい施設が定着してきた感じを個人的には受けています。請戸から水揚げされる新鮮な魚介類「常磐もの」が、もっと盛り上がってほしいなと思います。


請戸地区の水産加工団地には、目立つ新しい建物が二つあります。

浪江町の歴史ある柴栄水産の新工場と直売所が一昨年4月より、相馬市に本社があるサンエイ食品の工場が昨年5月から、それぞれ操業を始めています。請戸の新鮮な海産物がここで商品になっていくんだなぁと、嬉しく思いますね。


先月3月11日に完成式をおこなったのが請戸地区共同墓地跡に整備された「先人の丘」です。

▲完成式後に町長ら関係者で記念撮影


海岸近くの共同墓地は津波の被害が甚大で、墓石などが流出しました。高台に整備された大平山霊園に多くの方はお墓を移しましたが、一部の墓石は手つかずのままになっていました。町では国の交付金などを活用し、先人の丘を整備。

丘の部分は直径が40メートル、高さがおよそ5メートルで、流された墓石等が埋められ覆土されています。

7000平米を越える敷地内には、請戸地区内の苕野(くさの)神社などにあった様々な石碑も並べられています。まさに先人たちが残していった請戸の歴史が、石碑の文言などから少し感じられます。


完成式には請戸北行政区の鈴木市夫区長も出席し「182名もの犠牲者が出た。すぐにでも復元したかったが、生活で精一杯だったので先人の皆様への想いが遅れ本当に申し訳なかった」「念願の完成式を迎え、町に感謝する」などと述べ「この地が先人を偲びつつ、心安らぐ場となることを確信している」「請戸地区の人々の語らいの場となってほしい」など期待を語りました。


敷地内に新しく建立された請戸史碑には地域の歴史や大震災の被害、震災後の出初式についてなどの文章が彫られていますが、裏には震災前の平成23年2月22日に撮影された請戸地区の航空写真が彫られています。
碑文とともに、足を運んだ際にはぜひご覧頂きたく思います。


地区内に植樹された防災林も少しずつ成長して来ました。これからの時期、青々とした若葉が茂るのかと思うと、景色の変化も楽しみです。


これまでの請戸地区のレポート

「令和3年8月、請戸」2021年8月20日投稿

「整備が進む復興祈念公園」2021年1月28日投稿

「浪江町沿岸部のいま①」2020年10月12日投稿

「浪江町沿岸部のいま②」2020年10月12日投稿


津島支所再開と地震の影響

2022年4月2日

新年度が始まりました。令和4年度も支援員一同、どうぞよろしくお願いいたします。
地域づくり支援専門員の今野です。

4月1日より、帰還困難区域の津島地区で町役場の支所機能が再開しました。東日本大震災前の施設に代わり、国道114号線沿いのつしま活性化センターに支所機能を設けました。

さっそく、支所を訪ねてみました。

業務時間は町役場と同様に、平日の8時30分から17時15分まで。職員は常時2~3人程度が在庁するということでした。

町では段階的に支所機能を再開させていく予定で、初めのうちは住民票の取り次ぎや町民の問合せ対応などから始まる予定だったそうですが、3月16日の福島県沖地震の影響(浪江町は震度6弱)で遅れが出ているとのことです。

建物内にも地震の被害が出ており、修復など対応が必要になっていますが、業者の対応も追いついていない状況です。いずれは総会など、地域住民の集まり事に会議室などを貸し出すことも検討していたようですが、こちらも大幅に遅れが出そうということでした。

▲建物内各所に、被害が見受けられました
▲会議室の被害状況は確認中です


本来の対応ができるようになるまで、しばらく時間がかかるということでしたが、本格的に復旧すれば、例えば津島の方が一時立ち入りする際に許可証の発行などで少し便利になるケースもあるようです。

今年の秋には準備宿泊も始まる予定ですので、帰還を望む住民の方や避難されている方など、津島地区の様々な方がつながっていく場になればなあと思っています。私たちも出来る事があれば進めていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

館外及び館内トイレは利用可能ということですので、一時帰宅の際などにぜひご利用いただければと思います。
(※館内トイレは閉庁時は利用不可となります)

▲館内トイレ。屋外にもトイレはあります



施工中の防災コミュニティセンターについて

2022年3月22日

こんにちは、地域づくり支援専門員の吉田です。

2011年から11年、3.11を迎えました。

震災当時と同じ金曜日の3.11は、お天気に恵まれ、町内で催しもあったこともあり、

普段より多くの人が往来する浪江町でした。

まだまだ道半ばの部分と、あっという間の11年という部分と、

それぞれの場所で過ごされたかと思います。

また5日後の3月16日、福島県沖を震源地とする最大震度6強~弱を観測した

大きな地震がありましたが、深夜遅くに津波注意報もあり、

余震など不安も多いですが、1日も早く心穏やかな時間に戻れますように。

今回は、町内で施工中の防災コミュニティセンターの現況をお伝えします。

まず、1カ所目は、「浪江防災コミュニティセンター」です。

旧浪江中学校敷地内(浪江町大字川添字南大坂28番地)にあります。

浪江地区の施設のみ、循環式の防水タンクが設置されており、他の地域で断水になった時にも、

ここから搬出し対応します。

▲浪江防災コミュニティセンター
▲浪江防災コミュニティセンター(防水タンクと消防屯所)

つづいて、「幾世橋防災コミュニティセンター」です。

旧幾世橋小学校敷地内(浪江町大字北幾世橋字植畑11番地)にあります。

▲幾世橋防災コミュニティセンター(東側から撮影)
▲幾世橋防災コミュニティセンター(北側から撮影)

最後に「苅野防災コミュニティセンター」です。

旧苅野小学校敷地内(浪江町大字苅宿字鹿畑16番地)にあります。

▲苅野防災コミュニティセンター(南側から撮影)
▲苅野防災コミュニティセンター(北側から撮影)

4/3(日)には、3ヵ所合同の落成式が、浪江防災コミュニティセンターで関係者のみにて行われる予定です。

施設の利用は、4/4(月)から可能になります。

また、一般者向けの見学会は、4/16(土)、4/17(日)10時~12時に行われるとのことなので、是非最寄りの防災コミュニティセンターを確認してみてください。

↓ お問い合わせ先 総務課 (防災安全係) 電話:0240-34-0229

「防災コミュニティーセンター」の見学会を開催します – 浪江町ホームページ (town.namie.fukushima.jp)

引き続き、防災コミュニティセンターについて、ブログ「なみえの今」でお伝えしたいと思います。

2022年 請戸 安波祭

2022年2月24日

こんにちは、地域づくり支援専門員の今野です。

毎年、2月の第3日曜日は請戸地区の苕野(くさの)神社で海の安全や豊作・豊漁、人々の健康を願う「安波祭」が開かれる日です。震災後も町外の避難先などで継続され、2018年からは津波の被害で本殿などほとんどが流された本来の場所で、祭りが開かれてきました。

しかし新型コロナウイルスの影響で、昨年は関係者だけが集まって神事のみの開催となりました。

今年は当初、神楽や田植踊の奉納をおこなう予定で進んでいましたが、コロナの感染拡大状況から2月に入りやむを得ず「神事のみ」と決まりました。

開催の2日前には苕野神社の氏子総代長を務めている五十嵐光雄さんらが、草刈りなどをして当日に備えました。

今年は前日の夜から続いた雨も直前であがり、曇り空ではありましたが風もなく静かな神社跡地で関係者のみが参列し、海の安全などを祈りました。
関係者以外の方も数名、ちらほらと集まって来て、遠巻きに神事を眺め一緒に祈りを捧げる様子が印象的でした。
やはり請戸地区の皆さんには、とても大切にされている行事なのだなとあらためて感じました。

最後に今回特別に、請戸芸能保存会の佐々木繁子会長と踊り手2人ら合わせて3人が、田植踊の唄のみを仮社殿に向かい捧げました。

佐々木さんは「コロナ禍で子ども達が集まって踊ることができないので、唄うことだけさせてもらえないか」と氏子総代長や宮司に相談。許可を得て、唄の奉納となりました。
唄い終え佐々木さんは「一日も早いコロナの収束を願い唄った」などと話していました。

一通り神事が終わり、氏子総代長の五十嵐さんに聞くと「ずっとこの祭りは絶やしたことがない。どんな環境でもやることが大切。これで皆一年、元気に暮らしていけると思う」などと感想を述べました。

苕野神社へ向かう請戸の土地も少しずつ整備が進み、景色も変わって来ています。

コロナが収束し、来年こそは神楽や田植踊の奉納なども含んだ安波祭が開かれ、地域の人たちが集まる・つながる場になることを願います。


(震災後の安波祭についてのこれまでの投稿は、下のタグ「安波祭」をクリックしてください)