なみえの今

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令和3年 浪江町成人式

2021年1月14日

新年明けましておめでとうございます。地域づくり支援専門員の佐藤です。

今回は、1月9日(土)に執り行われた、浪江町の成人式に伺って参りました。今年は、190名の新成人が誕生し、当日は50名程の方々が参加されました。浪江町では新成人に配慮して、現在居住されている自治体においても参加出来る様、日程をずらして式を開催しています。

当日は晴天ながら気温2℃。しかしながら、寒さを吹き飛ばすかの如く、受付開始30分以上も前から、皆さん続々と到着されました。

▲ 13時受付開始前

「久し振り!」 「元気だった?」 「今何してんの?」  

新成人だけでなく、付き添いのご両親共々、再会を楽しそうに喜び合う風景がとても印象的でした。                   

▲ 再会を喜ぶ新成人
▲ 若干緊張気味のグループ
▲ 若者らしくエネルギッシュなグループ (撮影時のみマスクを外して頂きました)

今回の新成人は、震災当時小学校4年生だったそうです。それから10年、様々な困難を乗り越えて、本日ふるさと浪江町の式典に駆け付けてくれたことは、浪江町にとってもこの上もない喜びだったのではないでしょうか。

▲ 新成人代表挨拶
▲ 恩師と共に参加者全員で  (記念撮影の為全員マスクを外されています)
▲ 式典も終わり笑顔でリラックス (撮影時のみマスクを外して頂きました)

最後に、会場入り口に掲示され、吉田町長もご祝辞の中でご披露されていた言葉をご紹介します。

「積小為大」(せきしょういだい)。二宮尊徳翁のお言葉です。「大きな成果を得るためには、日々の小さな努力が大事」という名言です。

改めて、成人式を迎えられたみなさん、成人おめでとうございます!無限の可能性を秘めた新成人の皆様のこれからが楽しみです。

上ノ原行政区 冬の花植え

2020年12月22日

朝の寒さが身にしみる季節となりましたが、澄んだ空から朝焼けが綺麗に見えるので、浪江町に来てからこの季節がより好きになりました。

こんにちは、地域づくり支援専門員の岸本です。

 

さて、上ノ原行政区では、12月12日に今年度2回目の花植えが行われました。

「地域の人々の気持ちを明るくしたい」と、上ノ原行政区・佐藤秀雄区長の発案で始められたものです。今回、12名の方が集まりました。

  

9月に行われた花植えの活動はこちらから↓

新型コロナウイルス感染予防対策をとりながら、予定通りの開催となりました。

マスク着用や手指消毒は、今では「当たり前」になったように思います。加えて、参加者の皆さんには、検温の実施、問診票への記入にもご協力いただきました。

▲ 佐藤秀雄区長のご挨拶

今回、200個のプランターに、パンジーとビオラの2種類を植えました。

花も様々な色が用意されているため、女性陣を中心に皆さんで色合わせをしながら、定植にあたりました。

「この色の組み合わせ素敵ね」

「この組み合わせだと地味過ぎない?」

「赤色持ってきて~」

このようなやりとりのなかで、作業は順調に進められました。

▲ 寒いなかテキパキと作業されていました

休憩時間や作業の終わりには、お菓子や温かいコーヒーなどをいただきながら地域の皆さんで交流を図りました。

時折笑い声も聞こえ、楽しいひとときとなりました。

▲ 飲食しながら交流を楽しむ皆さん

200個のプランターは、男性陣によって軽トラックで運ばれ、上ノ原行政区の23カ所に配置されました。

道路脇などに置かれていますので、ぜひ花々をご覧いただければと思います。

さてその頃、女性陣はというと・・・立ち話に花を咲かせていました。

▲ 立ち話は地域のつながりが深まる第一歩

新型コロナウイルス感染症が蔓延したことで、このような立ち話をすることも減っていると思います。

一日も早く新型コロナウイルス感染症が終息し、長時間立ち話をしたり気軽に集まったりできる「日常」が取り戻せるといいですね。

帰還困難区域の室原を視察しました(後編)

2020年12月18日

地域づくり支援専門員の今野です。

室原地区の視察、後編になります。

大柿ダムの下流側へと向かい案内してもらいました。この道は、ダムによって新たな道が整備されるまでは国道として利用されていたそうです。
なるほど、道幅も広めで走りやすい道路でした。


▲大柿ダム下流側を近くで見ることができました


続いて、北向(きたむかい)集落に向かいました。

北向でも農地の除染が進行中で、フレコンバッグが並べられていました。室原内でも各所で農地除染が進み、整備されていく様子が印象的でしたが、営農を再開させていくためには「これで、ようやく」始める大前提ができた状態なのだと感じました。失われた地力が元に戻り、いつの日か思うような農作物が採れる田畑になればと、そんなことを願いました。


地元の人が「しちゃみや/しっちゃみや」と呼ぶ地区の七社宮神社は、震災以前に鳥居を直す話が出ていたそうですが、震災により修復しないままで10年が経とうとしています。相馬誠胤(そうま・ともたね)公の碑がありましたが、倒れたまま手つかずとなっていました。




こちらは北向の集会所です。室原内にはこうした小さな集会所が、班ごとに5か所あります。


最後に室原公民館を案内して頂きました。国道114号沿いにある集会所は、震災の2年ぐらい前に増改築をしたそうです。広々とした室内に、室原地区の皆さんが集まって来たであろう、当時の姿を想像しました。
民俗芸能の踊りなどもこの集会所で練習していたということで、広さもあり、40人ぐらいが集まって練習していたそうです。いくつか、古い写真も飾ってありました。



特別通過交通制度でよく利用している国道114号から見える、だけれども帰還困難区域内にあって自由に立ち入りができない集会所に、以前はこんなに住民の皆さんが集まっていたのだと、あらためて感じました。

後日、八龍神社の伝統行事「正遷宮」が昭和55年に行われた際の写真も見せてもらいました。踊りの恰好やお祭りの衣装など着飾った住民の皆さんが、長い長い行列を作って114号を歩く姿などがとても印象的でした。7年に一度開き続いていた遷宮も震災後は開くことができない状況ですが、いつの日かまたこの賑わいが復活すれば楽しいだろうなあ、と感じました。

室原の復興拠点整備は、常磐自動車道ICなどを活かした物流や産業ゾーン、防災拠点としての整備、そして農業再生ゾーンなどが目立ちますが、住民の皆さんの居住促進や交流に関する整備も、事業にしっかりと含まれています。

計画には、集会所の復旧や伝統的な催事をおこなう公共的な場所の整備・復旧などが上げられており、地域の皆さんが集まって交流する場、昔から続いてきた行事ごとをつないでいける場が必要なのは明らかと言えます。


まだ、もうしばらく時間がかかります(2023年3月までに避難指示解除を目標)。大震災と原発事故から10年が過ぎていく中で、解除されてすぐに帰還するということも難しい状況だとは思いますが、復興拠点が整備され、地域の人が慣れ親しんだ元の場で、たまには集まって話したり交流する場が生まれればいいなと思いました。


小澤区長、地区内をご案内いただきましてありがとうございました。

帰還困難区域の室原を視察しました(前編)

2020年12月18日

こんにちは、地域づくり支援専門員の岸本です。

秋晴れの空が広がる11月28日。室原行政区の小澤区長にご案内いただき、室原行政区を視察をしてまいりました。

(帰還困難区域を視察するにあたり、公益の立ち入り許可をいただきました。)

 

まず訪れたところは、放射性廃棄物の仮置き場。

▲ 仮置き場

元々、この土地は農業生産基盤が整備された畑で、震災前にはナスやかぼちゃ、タラの芽などが栽培されていたそうです。

現在6町歩(ちょうぶ)が、仮置き場として利用されていました。1町歩が9900㎡なので、6町歩は59,400㎡。東京ドームで例えると、1.3個分の広さに相当します。

この広大なエリアに、5万5千個ほどのフレコンバッグが置かれています。

▲ 観音寺

仮置き場の奥に見える赤茶色の屋根の建物は観音寺といい、「直会(なおらい)などの行事がある度に、地域住民が集まる中心的な場所だった」と、小澤区長から伺いました。

仮置き場のすぐそばには、八龍神社がありました。

▲ 八龍神社
▲ 壊れたままの鳥居

八龍神社では、震災前まで7年に1度遷宮という神事を行ってきました。

遷宮での行列は約150人で、区長宅から八龍神社に向かい、区長宅と八龍神社の二カ所で伝統芸能が演じられていたそうです。

平成22年に行われた仮遷宮の際には、地域の伝統芸能である、神楽・田植踊・石代量り(こくだいはかり)が演じられました。

神様の力を保つためには、常に新しく清浄であることが必要と考えられ、衰えた神様の力を甦らせ活性化させることが遷宮の主な目的とされています。
それ以外にも、氏子の皆様にご参加いただくことにより、地域的な連帯感や信仰を維持していくこともまた大切な目的のようです。

現在、神社は除染は済んでおりますが、再建するかどうかは未定とのことでした。

▲ 農地除染の現場

移動中に通りがかった農地除染の現場では、表土を剥いで新たな土で覆土するという作業が進められていました。

除染が終わった農地は、驚くほど綺麗な景観になっていたものの、除染が済んでいない一部の場所ではイノシシにひどく荒らされた跡も見られました。

▲ 秋葉神社

竹藪を通り少し高い丘の上には、秋葉神社があります。

秋葉神社もまた、7年に1度の周期で遷宮が行われていた神社です。遷宮の際には、行列が通過するなどし、震災前まで続いていました。

いずれの神社についても、小澤区長は「できるなら残したいと思っている。やはり先人たちの維持してきたものなので・・・」と仰っていました。

後編に続きます。

権現堂地区 駅前イルミネーション&防犯まちあるき

2020年12月11日

師走、いよいよ今年も押し詰まってまいりました。皆さん、如何お過ごしですか。地域づくり支援専門員の佐藤です。

今回は、12月7日に権現堂地区で開催されたイベント、”駅前イルミネーション&防犯まちあるき”に伺って参りました。「駅前を明るく!」というコンセプトで始まった駅前イルミネーションは昨年度に引き続き、また、防犯まちあるきは今年度3回目の開催だそうです。

ソーラータイプのイルミネーションライトがくっきり灯った17時過ぎ、各自感染対策を施した上で集合いただき、更に、健康チェックシートへのご記入を参加者全員にお願いする徹底ぶりでした。その後、結束バンドでイルミネーションの取り付け作業の開始です。

▲ 12月の浪江町は16時を過ぎると薄暗くなります
▲ 健康チェックシート
▲ 結束バンドで仕上げ

18時、イルミネーションの点灯で駅前に明るさが戻ってきました。皆さん、早速思い思いに写真撮影開始です。コロナ禍ではありますが、ソーシャルディスタンスを確保しつつ、皆さんも、このフォトスポットをご利用しては如何でしょうか。

▲ ”うけどん”は各自ご持参ください
▲ この冬一押しのフォトスポット

その後、無人駅となった浪江駅周辺の防犯まちあるきです。権現堂地区は、避難解除になっているものの、帰還した住民は決して多くなく灯りも少ない状況です。防犯活動は益々重要であり、地域の協働作業の一環として今後とも継続的に取り組んでいくそうです。

▲ やはり、駅周辺は灯りが少なく暗いです
▲ 郵便局付近
▲ 寒い中、小一時間の防犯まちあるき、お疲れ様でした

確実に一歩ずつ前進している浪江町。街の明るさを取り戻す事は多くの方の願いであり、且つ、防犯活動は必要不可欠の課題です。そんな中開催された”駅前イルミネーション&防犯まちあるき”は、正に、”なみえの今”に欠かすことの出来ないコミュニティ活動だと感じました。

尚、駅前イルミネーションの設置・点灯に関しては、地域コミュニティ活動に大変ご理解のあるJR東日本・原ノ町駅様から、毎年多大なるご協力をいただいている事を開催団体から伺いました。この場をお借りしてご報告申し上げます。