タイトルをクリックすると個別の記事のみご覧いただけます。
地域づくり支援専門員の丹野です。
お盆の8月13日、14日に町営大平山霊園コミュニティ広場にて、テントを張った休憩所を設置し、冷たいお茶出しをさせていただきました。
昨年も同様に休憩所を設置しましたが、利用していただいた皆さんから好評の声を受け、今年で2回目の開催です。
この休憩所は震災後、請戸の皆さん同士が顔を合わせる機会が極端に少なくなっていることを行政区長や請戸に住んでいた皆さんからお聴きし、「顔を合わせるのは墓参りくらい」という言葉から、お墓参りに来た方が休みながら、久しぶりの再会を楽しんでもらうことを目的に設置しました。
広場に休憩所の設営を終えるころには、既にたくさんの人がお墓参りをしており、 お参り後に休憩所に立ち寄ってくれる方もいました。
当日の大平山は天気も良く、気持ちの良い風が吹いており、休んでいる皆さんが口をそろえて、「請戸の風が懐かしい」そう言っているのがとても印象的でした。休憩所を利用してもらった方からは「休憩所で懐かしい人に会えました」「昔ご近所だった女の子が結婚して子供がいてびっくりした」「ちょっとした同級会みたいになったよ」など請戸の皆さん同士、久しぶりの再会を喜び、会話を楽しんでいる様子が見受けられました。
休憩所でお話をさせてもらった方からは「堤防はどこまでできた?」「請戸団地はどうなってる?」「荷捌き場は完成した?」など請戸の整備状況を聞かれることが多く、ふるさとが今後どうなっていくのか、気になっている様子も感じ取れ、各々知っている情報を教え合う情報交換の場にもなっていました。
休憩所を通じて、地域の皆さん同士で久しぶりの再会を楽しみ、情報交換をしてもらうことは地域のつながりを維持していくうえで、とても大切なことだと思います。今後も請戸の整備が進み、町の姿が変わっていく中でも、そこに住んでいた人と人のつながりを維持するお手伝いが出来ればと思います。
また来年には休憩所を設けるかもしれません。お墓参りをして広場に休憩所が見えたらぜひお気軽にお立ち寄りください。
焼けつくような真夏の陽射しの下、樋渡・牛渡行政区では、
お盆の帰省の時期に合わせて、クリーン作戦が実施されました。
樋渡・牛渡行政区でのクリーン作戦は4月に引き続き震災後2回目の開催。
お盆の早朝にも関わらず、避難先からも集まり、
みんなでごみ拾いのスタートです。
空き缶、空き瓶やプラスティックの破片等、 次々と拾いながら
同時に地区の変化やご近所さんの状況、田畑の管理についてなど
おしゃべりも弾みました。
思いのほか、気温が高くなり、早めに切り上げて分別しました。
また今回はクリーン作戦の後に、お墓参りに来られる方に向けて、
休憩所として公民館が開放されました。
「連絡を取り合っている人もいればそうでない人もいる。
8年ぶりに会う人もいるだろうから、たまたまここで会えて、
そういう人と話ができればいい」と 鈴木辰行区長のお考えで実現しました。
「しばらくでした~」との声から始まり、
「みんなに会えてほっとする、安心する」といった声が聞こえたり、
ひさしぶりに会う子供たちの成長に驚きながら、
楽しい交流の場にもなりました。
樋渡・牛渡地区では、再建された八坂神社の落成式も10月に行われる予定で
それに向けて神楽や田植え踊りの練習も同公民館でされるそうです。
また皆さんで集まる機会が楽しみです。
地域づくり支援専門員の丹野、引地、佐藤です。
長い梅雨が終わり急に夏がやってきた7月末の週末、令和元年 標葉郷野馬追祭が開催されました。熱い標葉郷の2日間を追いかけました。ぜひご覧ください。
☆初日 【出陣式】 ~浪江中央公園にて~
丹野です。
朝8時、浪江町中央公園には出陣を待つ騎馬武者の皆さんが集結。今年はじつに50騎の騎馬が出陣するとのこと。出陣式ではこの野馬追祭開催に尽力した皆さんの挨拶がありました。
「伝統芸能がひとつひとつ再開することが、復興の弾みになる。」
「野馬追は誇りであり、柱。野馬追が後押しとなり、必ず復興は達成される。」
この野馬追祭がどれほど浪江町で大切にされてきたのかを感じることができる、力強い言葉でした。
式典の挨拶が終わり、法螺貝が鳴り響くといよいよ出陣です。
1頭1頭が順番に公園を出て歩きだしていきます。
出陣する騎馬武者1人1人の甲冑や旗指物にはどんな意味があるのだろう?そう思いを巡らせてるうちに、騎馬は町内を練り歩き、あっという間に行列は終わりを迎えました。
立派に出陣していく騎馬武者たちを温かい目で見送る町の皆さんはとても嬉しそうで、大切な伝統行事が浪江町の復興の礎になることを思わせてくれました。
沿道で見ていた町民の方に感想を聞くと、仕事の関係で昨年秋より浪江に移住し、初めて野馬追を見たとのこと。
「精悍だった!観客の皆さん、お子さん連れも多くて感動。沿道で水分を振る舞っていて、みんなで盛り上げようという祭りだなと感じた。」
次は南相馬市原町区での標葉郷の様子です。引地がお届けします。
☆初日夕方 【軍者会】 ~原町区旭公園にて~
決戦前の御前会議。総大将をはじめ各郷の幹部が、初日報告と翌日の打合せをします。
初日を終えた 標葉郷副執行委員長 佐藤良樹さん。
「初めてで緊張したが、明日も頑張るよ!」と馬上とは違う安堵の表情。
☆2日目 【本祭り】 ~原町区 雲雀ヶ原祭場地にて~
いよいよ各郷揃ってのお行列です。中ノ郷を先頭に小高郷、標葉郷、北郷、宇多郷の順で祭場地を目指します。
私は前方に陣取ることが出来なかったのですが、標葉郷が前を通るときだけ、観客の方がなんと一番前を譲ってくれました。
☆正午 【甲冑競馬】
旗指物がなびく音、舞い上がる土、ものすごいスピードで駆けていきます。シャッターチャンスを狙っても、この通りです。
標葉郷の中頭で浪江町から出陣している吉田学人さん(“十二神”の旗指物)3着です!
今年で12回目の出陣という吉田さんに、一言感想をお聞きすることが出来ました。
「スタートで出遅れて後方からだったが、巻き返すことが出来てよかった!」
☆午後1時 【神旗争奪戦】
ご神旗を手にした、標葉郷 副軍師付組頭 吉田昌平さん。
総大将のもとへと、本陣山の羊腸の坂を一気に駆け上ります!
☆2日目夕方 【標葉郷凱旋】 ~浪江中央公園にて~
佐藤です。
標葉郷相馬野馬追祭で今年、観客初陣を果たしました。
16時を過ぎようとしているにも関わらず、気温は30度近い状況。町民の熱意も相まって、本陣は熱気ムンムン。凱旋行列を一目見ようと、今か今かと、馬の様に首を長くして待つ方々で溢れかえっておりました。
凱旋行列を待つ間、浪江町相馬流れ山踊り保存会による、舞踏「相馬流れ山」が披露されました。威厳と品格のある流麗な舞に、時間を忘れて見入っている方々多数。
私もそのひとりでした。
17時頃より凱旋行列、続いて、凱旋式典が執り行われました。
出陣した全騎が無事凱旋を果たしました。何とも勇ましい姿でした。
さらには本日のクライマックス、標葉郷神旗争奪戦。
神旗争奪をかけた人馬一体となった姿に、大勢の方々が浪江の将来を期待したのではと思います。
浪江の方々は、この神事を通して、伝統を守り続ける執念と、祭りに掛ける熱い意気込みを露にしています。必ずや復興の糧になるのだろうと思いました。
再び、引地です。
祭りの最後に、今年初陣を果たした標葉郷騎馬隊 紺野琉美子さんのお父さんに感想をいただきました。娘さんの晴れ姿を見るため、赴任先のタイから駆け付けたそうです。
「電話で話すといつも通りの小学生の娘だけど、昨日今日の大舞台で堂々としている姿をみて、大人になったなーと実感した。本当にうれしく思います。」
お父さん、日焼けした満面の笑顔でした!
さあ、野馬追が終わり、浪江の夏本番です。
長ーい梅雨がようやく明けたと思ったら、今度は猛暑。
暑中お見舞い申し上げます。地域づくり支援員の佐藤です。
今回は、田尻行政区で7/30に「ひまわり」のお花見会が開催されました。
5/19に開催された、農事復興組合主催の「ひまわり種まき」以来、約2か月。 4kgの種が、3反の農地に開花し。素敵な風景です。
当日は、平日ながら町外からも多くの方々が駆け付け、お喋りの花も満開。久々の会話を楽しんでおられました。
農事復興組合長から、ひまわりの栽培経過報告と今後の組合の取り組みについてお話がありました。また、行政区長からも他の行政区の農事復興に関する取り組み状況の報告などがあり、今後の田尻行政区における農事運営に大変貴重な場になっていた様子がうかがえました。
お昼になり、皆で食事をしながら、歓談。
自家製甘酒、 二本松や北茨城の名物お菓子のお振舞やら、旅行での写真自慢など、時の過ぎるのを忘れて楽しいひと時を過ごされていた様に感じました。
高速道路からも綺麗な風景が見えている事でしょう。
この農地、来年は何が栽培されているのでしょうか。
田尻行政区の農業とこれからがとても楽しみです。
こんにちは、地域づくり支援専門員の石橋です。
この春、浪江では花植えが盛んに行われています。
6月23日(日)には西台で花壇の花植えが実施されました。
この花壇は、以前はショッピングセンターへ続く道を花で彩っていましたが、震災以降全く人の手が入らずに、荒れ放題になっていた場所です。
23日当日、私たちまちづくりなみえは西台の方々の交流の場を作るべく、テントと椅子をもって、3人で花植えの場にお邪魔させていただきました。
到着すると荒れていた花壇には除草シートが被せられ、周囲の雑草もきれいに刈り取られていました。
午前10時、小雨にも関わらず町に帰還した方々や避難先から来てくれた方々14名が集結。
大倉区長の挨拶と梅松副区長の説明の後、早速作業開始です。
作業の工程は、①除草シートに定植位置を示す印をつけます。②そこにカッターで穴をあけます。③穴の下の土をショベルで掘ってそこに花の苗を植えます。
今回植えた花は、サルビア200株とマリーゴールド200株の合計400株。
開始直後はとても時間がかかると思った400株の花植えも、西台の14人+まちづくりなみえ3人の力により1時間半で終了しました。
作業の後には交流会。テントの下でお茶を飲みながら、土いじりを終えたばかりの人々の口からはなぜか幼少期の思い出がたくさん語られました。学校の帰り道に摘んだ花の蜜の甘い記憶、今の若者たちは聞いたことがないであろう路傍の植物の名前、草むらに立ち入って体中をガンコジに覆われた思い出。
気が付くと、さっきまで降っていた雨はすっかり止み、雲間から時折陽光が射し込む午後が訪れていました。
一言で「花植え」と言っても、それを実施するために誰かが荒れ地の草を刈り、土を耕し、除草シートを引いていてくれたのですね。そしてこの花壇も誰かが世話をしなければまた荒れ地に戻ってしまうのでしょう。
美しい景観を人の手で作り続けていくことが浪江のこれからにつながる一つの手段なのだと実感した日でした。