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こんにちは
地域づくり支援員 丹野です。
2月17日に請戸の安波祭(あんばさい)が開催されました。
安波祭は豊漁と海上の安全をいのる請戸地区の苕野(くさの)神社で行われている伝統的なお祭りです。
神社は津波で流され、まだ再建はされていませんが、昨年2018年には神社跡地でお祭りを再開。今回は震災以降に請戸で行われた2回目のお祭りです。
今年奉納されたのは神楽と田植え踊り、神楽では獅子頭を被り、舞を披露していきます。
躍動感あふれる動きをカメラに収めようと、みなさんいっせいにシャッターを切っています。
踊りの途中には獅子が観客の皆さんに噛み付き、周囲からは笑い声と歓声が起き、とても印象的でした。
神楽に続いて奉納されたのは、田植え踊り。
まず最初に目を引いたのが、明るく華やかな衣装。天気も良く、太陽がさしていたこの日には良く映えて、とても美しかったです。
大学生から、小さい子は幼稚園まで歳の差がある中、調子を合わせ、リズムよく、歌に合わせ一生懸命に踊ります。「まだ小さいのに、あんなにきれいに踊ってすごいな…」そう私が一緒に見ていた方とお話をしていると「一番小さい子だってもう1年近くも練習してるんだよ」と教えてもらい、びっくりしました。
震災前、踊り子は小学生で構成されていましたが、震災後、請戸の皆さんはバラバラに避難し、田植え踊りを引き継いでいくことが難しくなり、震災当時の子供たちが大学生になる今でも踊り続けている、そんな経緯があります。
お祭りの後、この行事を支えてきた芸能保存会の方とお話しする機会があり、「今日まで安心して眠ることが出来なかったよ」とほっとした表情でおっしゃいました。
たくさんの人がこのお祭りに特別な思いを抱き、伝え、残そうとしており、伝統芸能の素晴らしさ、そして習得し伝承していく困難を少しだけ知ることもできました。
今回、安波祭に集まった皆さんは避難先から来た人も多く、大きな声で「ひさしぶり!どうしてたの!」と再会を喜ぶ姿もありました。それを見て、伝統芸能はその地域の皆さんを結びつける大切なつながりのひとつなのだと実感しました。
町民のみなさんからは伝統芸能の復活を望む声も多く聞こえてきます。伝統芸能の維持、復活のお手伝い、私たちが少しでも協力していければと思っています。
地域づくり支援員、今野です。
2月3日、南相馬市の民俗芸能発表会が市民文化会館ゆめはっとで開かれました。
13回目を数える今回は初めて、南相馬市外の団体もゲスト参加しました。
浪江町からも「南津島の田植踊り」が出演しました。
震災と原発事故後に大勢の観客の前で披露するのは初めてとなり、貴重な機会となりました。
(本番まで楽屋で待機する皆さん)
田植踊りという民俗芸能は浪江町内でもいくつかあって、津島地区全体としても4つの田植踊りがありますが、それぞれに微妙に踊りも違うそうです。
震災と原発事故前であれば、披露の時期が近づくと同じ地域内に住む方々が夜集まって練習するなどし、高齢化や若い世代の減少といった問題を抱えていたとは言え、なんとか民俗芸能が継承されてきました。
しかし、震災と原発事故で散り散りに避難したことで、そういった練習の機会を設けるのも困難な状況です。
これは浪江町はもちろんですが、福島や東北の被災地が持つ大きな課題です。
そんな中「南津島は民俗芸能を伝えていこうと頑張っている」「我々も見習わないと」などと言ったお話しを、いくつかの場で耳にしました。
発表会の数日前、南津島郷土芸術保存会の会長を務める三瓶専次郎さんにお会いし、お話しを聴く機会がありましたが「”踊りを伝えていこう”といった声掛けはしたものの、いちばん踊れる人が遠くに避難していたり、集まるのも難しい状況だった」「そんな中、南津島上の紺野宏区長がその役を継いでくれた」など、ご苦労を話されました。
(久々となる踊りの披露に、観客の目が釘付けです)
南津島の田植踊りは昨年1月に、踊りや衣装の記録化(映像撮影)をおこなうために踊りを披露していますが、一般聴衆の前での披露は震災以来です。
年が明けて1月の日曜日は毎回、二本松市に集まって練習をしていたそうです。そんな中でも「みんなで集まったり、昔のことを話すのは楽しいし、津島にいた頃のしゃべり方で話している」などとおっしゃっていました。
この田植え踊りは本来、旧暦1月14・15日の両日に津島地区の4地区で行われるもので、県の重要無形文化財に指定されています。
踊りは、鍬頭(くわがしら)の口上に始まり、稲作の工程を唄と踊りで表現するもので、五穀豊穣や無病息災などを願っています。
本来は男性のみの構成ですが「このような状況でやむを得ず、女性の踊り手に入ってもらい助けてもらった」と三瓶さんはステージでインタビューに答えていました。
(終演後インタビューに答える踊り手と三瓶会長)
そして、その踊り手の女性は「兄がずっとやっていて、うらやましく感じていた」「この機会にとばかり、踊りに入れてもらったんです」と嬉しそうに話していました。
民俗芸能の継承については、全国のあちこちでも課題を抱えているかもしれませんが、このような「前を向こう」「伝えていこう」と感じられる言葉に、感動するとともに心強さを感じました。
私たちも応援していきたいと思います。
こんにちは、地域づくり支援員の石橋です。
1月27日(日)苅野地区加倉集会所で、地域の方々のグループ”浪江町ふるさとの味同好会”による郷土料理教室が開催され、私たちも地域づくりの一環として参加しました。
昨年の秋、加倉でクリーン作戦を実施した際に拠点となった集会所を、今回はより広く町の方々に活用していただく機会となりました。
前日は、浪江には珍しく雪が降り積もっていましたが、皆さんを迎え入れるために加倉行政区の吉田区長が道路や駐車場を一日中雪かきしてくださいました。
そして当日は何と前日の雪をすべて溶かしてしまうほどの暖かさ、30人以上が集った集会所内はエプロン姿の人々で熱気にあふれていました。
この日のメニューは鮭鍋。
請戸川には毎年秋に鮭が遡上するヤナ場があって、その季節には大勢の人でにぎわっていました。
食堂もあって料理も楽しめたこともあり、鮭鍋はまさにこの町の郷土料理です。
そしてこの日は東京からスペイン料理店のオーナーシェフ・瀧本雅彦さんとその奥様も参加し、
スペインの漁師料理であり、鮭を活用することのできる「マルミタコ」の作り方を披露してくださいました。
鍋や具だくさんのスープをみんなで囲むのは冬の風物詩。
外は雪景色でも集会所の中はホカホカあったかで、参加された皆さんの会話も弾みました。
「今度はホッキご飯をみんなで食べたいな」
「秋には芋煮会をしましょうよ」
など、交流の場へと発展できそうな声も聞こえ今後の私たちの活動のヒントにもなりました。
やっぱり美味しい料理は皆の心を繋いでくれるのですね。
ふるさとの味同好会の皆さん、次回のメニューは何でしょうか?
地域づくり支援専門員の東山です。
寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
さて、1月15日(火)権現堂区集会所にてイルミネーションの
取り付け作業と点灯式が行われました。
私たちも地域づくりの一環として、前週から地域の皆さんとともに
飾りを作成したりイルミネーションのデザインを考えたりするなどして参加しました。
飾りは手芸用のグルーガンを使って、雪の結晶や桜、ハート型など
思い思いに形づくり、ライトを照らした際に光るよう取り付けました。
また、鮭や猫、雪だるまなどを模造紙にデザインしたものを
イルミネーションのライトで形作りました。
参加された方からは笑顔とともに「きれい!」という声や
「明かりがついてよかった!このあたりは暗かったから」といった声が聴かれました。
また点灯式では、佐藤秀三区長から
「避難指示解除後、本当に町に明かりがなく暗かったのを思い出す。
日中の人の出入りだけでなく夜、町に明かりがともることが復興のひとつだと思う。
それを発信できる場になった」と話されました。
場所:権現堂区集会所(浪江町大字権現堂下川原71番地)
期間:2019年1月15日~31日
時間:17:00~20:00
こんにちは まちづくりなみえです。
年末から年始にかけての町内のできごとをお伝えします。
先ず12月31日大晦日は、大聖寺の除夜の鐘。
鐘撞きは昼12時からのスタートです。
約100名の方が集まり、迫力満点の音や優しい音、様々な鐘の音が浪江に広がりました。
この鐘は幾世橋内匠町で造られ、なんと265才になるそうです!
そして年が明け元旦となりました。
「あるけあるけ初日詣大会」に参加しました。浪江町では以前から「あるけあるけ初日詣大会」が元旦におこなわれてきましたが、今年は請戸港が工事中のため大平山霊園に向かいました。普段なら真暗な夜道でしょうが、要所要所に誘導係員や仮設照明もあり、まち・なみ・まるしぇから大平山霊園までの約3キロメートルを、心地よく、安全に歩くことができました。
肝心の初日の出は、下の写真の通り請戸小学校と雲の隙間から日差しが輝く様子を短い間でしたが見ることができました。
それでもその後再び日が差し出し、川添芸能保存会による獅子舞が奉納されると、そのダイナミックな獅子頭の動きで今年の邪気を追い払ってくれた気がしました。
1月2日には請戸漁港にて出初式が開催されました。
震災以降、平成30年に初めて開催され、今回は二回目の開催です。
まずは今年の豊漁と安全を祈るご神事が行われ、参加者の皆さん一同はお祈りをしお祓いを受けます。
ご神事の後は各自船に乗り、合図が鳴ると、大漁旗をなびかせ出港していきます。今年は19隻の船が出港し、船からはミカンが見送る人たちに投げられます。
「このミカンを食べると今年は健康に過ごせるんだ。」そう言って、おじいさんが美味しそうに食べているのが印象的でした。
本年も皆さんと元気にお会いできることを楽しみにしております。
一般社団法人まちづくりなみえ 地域づくり支援専門員一同