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慌ただしく師走を迎えたかと思うと、もうそれも半ば。
どんな12月をお過ごしでしょうか?
地域づくり支援専門員の石橋です。
今回は冬にホッと心暖かくなるような話題です。
去る11月29日木曜日、幾世橋小学校の校庭で花植えが行われました。
この取り組みを行っているのは幾世橋に暮らす有志の方々で、自らの活動を「ひとはなの会」と名付けています。
この名前には「もう『ひとはな』咲かせよう」の意味と「人と花で繋がろう」の意味が込められているそうです。
会費も会員証もない「ひとはなの会」、あるのは「地元幾世橋が好き」という共通の想い。
そんな方々が地元や避難先から20名ほど集まり、挨拶と掛け声を合図に作業開始。
この日植えたのは冬に咲き誇るビオラの花。
みんなの手を借りて花はどんどん植えられていきます。同時に別の花壇では、次に植える花を想いながら草むしりも。
校庭だけではありません。小学校入り口の花壇にもビオラが並び始めると、奥にたたずむ二宮金次郎像も何だか嬉しそう。
この日駆け付けてくれた幾世橋小学校の校長先生と教頭先生が「地元のこうした人々に学校が支えられている」と謝意を表すと、
「学校はやはり大事な場所」と皆さんが口を揃えます。
今は休校中の幾世橋小学校、でもその場所を大切に思う人はたくさんいます。
キレイになった校庭の花壇と共に写真を撮ると、何故か童心に返ったみなさんの姿が。
「今日もひとはな咲かせたぞ!」
そんな声が聞こえてきそうな穏やかな霜月の朝でした。
こんにちは、地域づくり支援専門員の今野です。
先日、本宮市で活動している手芸の会「サークルりんどう」を訪ねて来ました。
サークルりんどうは震災後にできたグループで、本宮市や大玉村に避難した浪江町の人で結成されました。
震災前から親しい間柄というよりは、震災後に避難先でサークルを通して親しくなった皆さんによるグループだそうです。
リーダー役を務めている佐々木光恵さんが暮らしていた津島の昼曽根地区は原発事故により帰還困難区域となってしまい、未だ避難生活を余儀なくされています。
避難先となる本宮市の借り上げ住宅では倉庫を開放し「いつでも気軽に集まれる場」としてサークルりんどうの活動を原則月に1回開いています(しかし、倉庫は集まれる場としていつでも開放しているそうです)。
11月の活動日となったこの日は女性会員10名のうち6人が集い、それぞれにお手玉づくりや編み物、マスコットづくりをしていました。
お喋りする内容も近況報告であったり昔のちょっとした思い出話し等々、皆さんが自由にあちらこちらでお話ししている感じでした。
「大きすぎない規模の会で、一人一人がそれぞれの作業に没頭しても構わないような自由な集まりの場」と光恵さん。「こうして集まるのを楽しみにしているの」と皆さんおっしゃってました。
浪江の十日市祭も、サークルりんどうがお店を出す目標となるイベントなので、この日も忙しそうに、でも楽しく和気あいあいとそれぞれの作業に取り組んでいました。
そして十日市祭が開催された11月24日。
サークルりんどうのブースを訪ねると、お客さんとやり取りする皆さんの姿がありました。
「手芸関係の出店はほかにも多いから、ちょっと違いを打ち出してお客さんを引き込まないと」ということで、この日はマフラーや帽子といった冬物を意識的に押し出してみたそうです。「でも今日は暖かかったから、あまり売れなかったなあー(笑)」と、それでも楽しそうに話す光恵さんです。
「十日市祭は作品を披露したり売ったりする楽しみもあるけど、浪江町の人に会えるのも大きな楽しみ」「知っている人に会えるのが嬉しい」と皆さん話していました。
手芸品やイベント出店などを通した、ちょっとしたやり取りで気を張らずにつながれる、そんな場が求められているのだと思います。
避難を強いられながらも、このように町民と町民がつながっていく場をつくっている「サークルりんどう」。
私たちも、こうしたつながりがずっと続いて、強く太いものになっていくよう応援できればと思っています。
なお、サークルりんどうでは「会に混ざりたい」という人がいたらいつでも歓迎しているということでした。
興味がある方は、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
地域づくり支援専門員の東山です。
比較的温暖だと言われる浜通りですが、朝晩は冷え込みが強くなり、冬の装いが必要な時期になってきました。
さて、晴天に恵まれた11月24日~25日、十日市が盛大に開催されました。
十日市は浪江町でもっとも伝統あるお祭りで、明治6年、当時は出羽権現(でわごんげん)、現在の浪江神社の例大祭として、浪江町権現堂地区に市(いち)を立てたことが始まりだそうです。この権現堂地区には1区~8区の行政区があり、十日市には子どもたちがそれぞれの行政区が持っている子ども神輿を担いで町内を練り歩いていたそうです。残念ながら震災後、子どもたちが担ぐということはできていませんが、先日、集会所に保管されていた子ども神輿を権現堂1区の佐藤区長や地域の方々とともにお手入れをしました。
昨年から十日市が浪江町内に戻り、3区の子ども神輿が会場のスポーツセンターで奉納されました。今年は弊団体が運営する駅前かふぇもんぺるんでも展示し、お神輿を見ていただく機会を設けました。また、お神輿とともに、昭和30年前後の十日市の様子がわかる写真も一緒に展示し、かつての賑わいも感じていただけたかと思います。
町民の方にお話をお聞ききすると、「子どもの頃、十日市を心待ちにしていた」という声や子ども神輿とともにうつされた昭和25年の白黒の集合写真を見て、「あっ!これうちの父だ」という驚きの声、また、「十日市でしか買えないものがあった」「サーカス団が来ていたこともあった」など、十日市の様子を教えていただきました。子ども神輿を囲みながら、地域がつながる取り組みを考えるひと時となりました。
こんにちは、地域づくり支援員の石橋です。
浪江町恒例、秋の収穫祭「十日市祭」が11月24,25日に開催されました。
両日とも天候に恵まれ開催場所のスポーツセンター付近は、24日の早朝から準備に勤しむ方々やお祭りが待ちきれない人々で賑わいを見せていました。
会場へ行ってみると、たくさんのお客様。
屋外ブースの目玉は何といっても「大せとまつり」でしょう。浪江町の伝統工芸品「大堀相馬焼」の窯元7軒が出店しました。かつて大堀地区で軒を連ねていた窯元さんたちですが、今はそれぞれの避難先で浪江の伝統を守り続けています。そんな窯元さん達のうちの7軒が、震災後初めて浪江の地で十日市に合わせてテントを並べるとあって、楽しみにしていた方も多かったようです。
「うう~ん、渋い」
「その渋さがいいのよ」
「こっちは可愛い!」
などと店先を占める人々の楽しそうな声が聞こえたり、商品をお買い上げくださったお客様の顔を見た窯元さんが思わず
「あれ、〇〇さんじゃねえぇの!?」
「おう、久しぶりだな!元気そうで、いがった(よかった)!」
と再会を喜ぶ笑顔があちこちで見られました。
屋内外のステージでは町の伝統芸能にお笑いライブ、地元サークルのダンス披露など趣向を凝らした舞台が展開される中、とても心温まる一団がありました。「小中学校の校歌を歌う会」です。
同窓生である限り10代であろうと70代であろうと共通の校歌を持っているのですよね。特に小学校で6年間も歌い続ける校歌は、いつの間にか体の奥に沁みついていて絶対に忘れられないものなのだと痛感しました。最後に歌ったのはもう数十年も前のことはずなのに、「仰げば西の~♪」と聞いた途端に、「山青く~♪」と口ずさんでいた方も見受けられました。校歌も「つながり」の一つなのですね。
もちろん十日市に参加しているのは団体やサークルだけではありません。
こちらのお二人は町に帰還されて以降、浪江に美しい景色を作ろうとご尽力されてきたご夫婦です。
ご自宅の周りだけでなく、今は使われていない思い出の学び舎の校庭に花を植える活動を通して、地域とのつながりを築いています。
そんなお二人は避難中に木工と出会い故郷浪江を想いながら作品作りに没頭したそうで、
「福が来る浪江」との想いを込めて「にじ・福浪(にじふくろう)」と名付けた鮮やかなキャラクターを生み出しました。
十日市ブースの一角を借りて出店したところ好評を博したようです。
以前とは姿を変えた十日市祭。その変化に「新生」浪江町を垣間見たような気がしました。
こんにちは
地域づくり支援専門員の丹野です
11月17日(土)大堀小学校にて草刈りとふるさと料理教室が開かれ、
私たちも地域づくりの一環として参加させていただきました。
大堀小学校は避難指示解除区域に含まれるものの、原発事故後休校となっており、校庭には雑草が生え、荒れ放題となっていました。
そんな中、大堀地区全体で集まる機会を創出し、つながり続けるきっかけにしようと、畑川行政区 齊藤基区長をはじめとした有志の方々によって
「ふるさと大堀に集まろう!」が実現しました。
朝早くからの集合だったにもかかわらず、実に80人にも及ぶ方々が参加してくれました。
町外からこのイベントを楽しみに来てくれた人も多く、ところかしこで「久しぶり!元気にしてた?」など再開を喜ぶ姿もありました。
斎藤区長のご挨拶も終わり、各々が道具をもって我先にと、どんどん草刈りをしていきます。
お昼までかかる予定でしたが、参加された皆さんの頑張りにより、予定よりも早く終わりました。
草刈りの次は料理教室。今回の料理はお餅と芋煮。
お餅はみんなでついたつき立てのお餅。芋煮は料理自慢のお母さんたちから学び、みんなで作った絶品。
参加者の皆さんの話では、大堀では昔から、たくさんの人が集まるイベントでお餅がふるまわれることが多かったそうです。
昔は甘いものが少なく、あんこやきなこをたっぷり使った甘いお餅はみんなに喜ばれ、おめでたい席には欠かせない一品だったと聞きました。
草刈と料理教室の後はお楽しみの食事をしながらの交流会。
みんなでテーブルを囲み、つきたての美味しいお餅と熱々の芋煮を頂きました。
昔話にも花が咲き、「大堀小学校でこんなことをした。」
「山では山菜、川では魚を取り自然を満喫していた。」と思い出を話してくれる方もいました。
雑草が生い茂っていた校庭は見違えるほどきれいになり、小学校はかつての姿を取り戻すことができました。
参加した皆さんの感想を聞くと、
「自分の通っていた小学校をきれいにすることができて、本当に良かった。」
「また雑草が生える夏にもう一度集まろう」という声を聞くことが出来ました。
参加していただいた方々の、ふるさと浪江で何かしたい、地域のつながりを保ちたい、そんな気持ちが感じ取れるイベントだったと思います。