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こんにちは、地域づくり支援専門員 今野です。
3月31日に避難指示が解除された津島地区の特定復興再生拠点にあるつしま活性化センター周辺で、町民の方や支援グループによる花植え活動が6月3日、おこなわれました。
津島住宅団地に入居された方と支援グループの方が、東日本大震災が起きて間もないころから知り合った仲という縁があり、今回の取り組みが進められることになりました。
支援グループは関東地方の大学教員や学生OBらで組織し各地の被災地で支援活動をおこなうハッピープロジェクトで、今回は3名の方が参加。
住宅団地からは3名の方が参加し、そのほか津島から避難されているご家族の方々や、入居者とつながりのある町民の方や浪江町出身者、川俣町の方などが参加され、あわせて15名以上で作業をおこないました。
マリーゴールドなどをプランターや花壇に植え、1時間ほどで作業は無事終了。
続いてつしま活性化センターの会議室を利用し参加者の交流会が開かれました。
自己紹介などで縁を深めながら、参加された方は
「住民の方と直接お話しできたり、津島と関われる機会になった」
「特定復興再生拠点の避難指示が解除され、集える場ができたのでにぎわいができればと思う」
「避難指示があって帰還が進まない場所でも、花が植えてあることで人がその場所に関わっているということが感じられて、良いことだと感じている」
などとそれぞれ感想を話しました。
私たちもお茶飲み会の実施などで交流の場づくりを今後進めていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
こんにちは、地域づくり支援専門員 今野です。
6月3日、大堀地区にある大堀相馬焼物産会館『陶芸の杜おおぼり』が東日本大震災と東京電力福島第一原発事故以来12年ぶりに再開し、13年ぶりとなる「大せとまつり」が4日までの2日間開かれました。
常設の屋内展示のほか、入口に窯元や飲食物の販売などの露店が並び、多くのお客さんが訪れていました。
大堀地区はいまも帰還困難区域となっていますが、大堀相馬焼の里の窯元および『陶芸の杜おおぼり』は特定復興再生拠点区域に含まれ、今年3月31日に避難指示が解除されています。
初日の3日は午前9時30分より開所式が開かれました。
吉田栄光町長は「ようやく大堀再生の一歩となる。伝統を絶やさず受け継いできた。大堀相馬焼は浪江町の誇りであり、後世に引き継ぐ責任がある」などとあいさつしました。
大堀相馬焼協同組合の半谷貞辰(ていしん)理事長は「12年余り休館を余儀なくされた。再生には多くの課題が山積しているが、なんとしても伝統を後世につないでいく。13年ぶりにふるさとで大せとまつりが開催できて、私たちも心から嬉しく思う」などとあいさつしました。
報道陣の取材には「特定復興再生拠点で解除となり、これだけ多くのお客さんが足を運んでくれてうれしい。お客さんとのやり取りで対話も増えるし、顔も見える。人とのつながりが深くなると思う」などと期待を述べ「大堀相馬焼が300年も続いてきた地区での会館の再開は、感慨深い」などと話していました。
前大堀区長の半谷秀辰さんに感想をうかがうと「もともとの場所で再開したというのは、安心感が生まれるね」などとおっしゃっていました。
館内には『東日本大震災と原子力災害の記録』と称した常設の展示コーナーも設けられており、地震の被害で割れた陶器や、各窯元の被害状況の写真などが展示されています。
『陶芸の杜おおぼり』は金・土・日・月曜日および祝日の午前10時から午後3時までの開館で、当面は作品及び歴史資料を展示するほか、視察等の受け入れを行う予定となっています。
大堀地区の方が立ち寄り、昔を懐かしんだりしながら再会できる場所にもなるかと思います。『陶芸の杜おおぼり』が、皆さんのつながる場になることを期待しています。
こんにちは、地域づくり支援専門員の吉田です。
今回は5月27日に行われた幾世橋集合住宅のクリーン作戦をご紹介します。
幾世橋地区は町内の中で役場や学校、スーパーなども近く町営住宅も多いので、多くの住民が生活しています。町内にいくつかある町営住宅の中で、2017年に入居が開始された幾世橋集合住宅は、 震災当時浪江町民だった方と移住して浪江町民になった方の両方が申し込みできる団地となっています。
町内会や自治会がある地域では、春から秋に掛けて定期的な清掃を行う地域が多いですが、幾世橋集合住宅では、自治会のようなものはまだありません。
約一年ぶりにおこなわれたクリーン作戦ですが、今回は「いつも綺麗にしてくださる方がいるので、またクリーン作戦の開催があれば参加しやすい」などのご意見を聞き、住民さんと一緒に進めながらの開催となりました。
▼クリーン作戦のチラシは住民の方が作ってくださり素敵にできあがりました。
「鳥の糞で5階の床が汚くなっているが、1人では綺麗にできない」という5階の方、
他の階の方からは、「みんなで手伝って綺麗にしようかと話している」というお話が聞こえてきました。
▲春以降、自主的に何度も床掃除をされている方がいましたが、鳥の糞でまた汚れてしまっていました。
町営住宅の管理をしている役場住宅係に相談したところ…
「業者の床清掃が入るのは今年度は秋を予定している為、住民の方で共有部分の掃除をするのに、まだ整備していない屋外用の掃除用品は、町で検討して購入し準備できる」とのこと。清掃を希望されている住民の方から、必要になる用具を聞きながら住宅係に希望リストを出したところ、新たに屋外清掃用具が整備されました。
▲クリーン作戦当日、8時30分には受付に20人ほど住民さんが集まりました。
受付の後は、1号棟と2号棟に分かれ、今回は5階から清掃を開始。
▲5階までホースを上げてデッキブラシで水洗いをしたり、みんなで協力して綺麗になっていきます。
▲▼手摺りや柵など、蜘蛛の巣をほうきで取ったり、ほこりを雑巾で拭いて綺麗にしています。
▲▼屋外では草刈り機を使える方が、準備されていた機械などで草刈りをされていました。
▲今回整備された掃除用品は、普段掃除する時も使えるように、参加された方と一緒にゴミステーションに移動しました。
▲清掃の後は、集会所に立ち寄れる方で「お疲れさま」と交流タイムです。
今回クリーン作戦の感想などが話されました。
「いつも清掃や花植えをしてくれる方がいてありがたい」
「草むしりもおこないたい」
「今回は5階4階の掃除ができたので、次は3階2階からおこないたい」
「子育て世帯が増えてきたので、清掃以外でも、花植えや盆踊り、ご飯を会などできたらいい」
「入居してから初めて集会所に入ったが、みんなで卓球や料理ができそうな場所で使ってみたいと思った」など、
普段生活してみてのご意見や感想など、次々に話が飛び交いました。
クリーン作戦にご参加いただいた皆さまお疲れさまでした!
幾世橋集合住宅では、秋頃まで月に1回定期的にクリーン作戦を行う予定です。
次回は6月24日(土)8時30分からおこないます。
ご興味がある住民の方はぜひご参加ください。
こんにちは、地域づくり支援専門員の東です。
権現堂地区で震災前から長年取り組まれている消毒散布作業が、5月16日、17日の2日間で行われました。
この活動は、春と秋の年2回、ハエや蚊などの駆除を目的に実施しているものです。
作業は2チームに分かれて権現堂1区から8区までくまなく歩いて散布します。手が空いている人はごみ拾いもあわせて行いました。
権現堂地区の区長や有志の方に加え、日産自動車、UR都市機構、東京電力、なみえプロモーション課といった地域に関わるの皆さんがお手伝いされました。
側溝、水路、草むら、ごみステーションなど、虫が発生する可能性があるところには徹底的に消毒散布を行います。
初めて参加した方には、ベテランの方が丁寧に噴射機の使用方法について説明したり、「こうしたほうがいいよ」などとアドバイスをしたりする様子も見られました。次世代へバトンをつなぐということの一端を垣間見ることができたように思います。
浪江町に移住され、今回初参加となった方は、「とても良い経験でした、また参加したいです」とおっしゃっていました。
ごみ拾いはというと、2日間で10袋以上になりました。
草むらに投げ捨てられたごみは茂みに隠れているため、実際に足を踏み入れてみて想像以上にごみが多く驚きました。
地域を歩いてまわることがなかなかないので、地域の現状を知るよい機会となりました。
ぜひ皆さんも地域の一員としてお手伝いしてみませんか。次回は9月に実施予定です。
こんにちは、地域づくり支援専門員 今野です。
大型連休中、全国的にも田植えの様子がニュースなどでも紹介されていましたが、浪江町でも水が張られキラキラ光っている田んぼ、そして田植えに取り組む様子が各地区で見られました。
3月31日に避難指示が解除された特定復興再生拠点の室原地区でも、原発事故以来13年ぶりとなる田植えが5月5日におこなわれました。
復興組合の高田秀光会長に予定などをうかがった時には「声をかけたけど何人来てくれるかなあ…みんなまだ避難先で暮らしている状況だからね。10人ぐらい来てくれればうれしいなあ」などとおっしゃっていましたが、作付けする田んぼの前にはおおぜいの方が集まっていました。復興組合の方23人と、そのご家族なども集って30名以上の皆さんがわいわいと、13年ぶりに始まる田植えを前に談笑などされていました。
始まる前にはあらためて高田さんがご挨拶。「13年ぶりの田植えになる、昔を思い出して作業をしたい」などとおっしゃいました。
実は室原地区のほとんどの田に農業用水を供給している水路は、ずっと帰還困難区域だったこともあり、まだ復旧が進んでおらず水が来ていないということでした。今回田植えをした田んぼは、隣の加倉へとつながる別の水路から水が来ている田んぼだということです。面積としては8畝(800平米)ほどの田ですが、協力して苗を田植え機に積む作業や、田植え機で苗が植えられていく様子を見つめる姿などから、コメづくりの最初の一歩への期待が感じられました。
作業は1時間ほどで終了。田んぼを管理する役割の吉田公明さんは「無事に終わって良かった。担い手の高齢化もあるが、若い人でやりたいという人がいれば協力したい。今日は孫たちも手伝ってくれた。避難指示解除で子ども達も来られるようになったのはうれしい」などと感想を話しました。
室原行政区の小澤晴久区長は復活した水田を前に「うれしいことだよね」と感想をひとこと。「これを機に、室原に帰還しようと思う人が増えて、震災前のような地域になればよいなあと思っている」などと話していました。
室原地区では今回の試験栽培、来年の実証栽培を経て、やっと再来年から出荷を目的とした本格的な営農が再開されていく予定です。
困難の中、コメづくりが生み出す人と人とのつながりにも、期待していきたいです。